第6話|香港の海辺の街・西貢へ。2泊してわかった、この街の魅力

3人目はAI

マカオから香港へ戻り、フェリーの遅れに焦りながらMTRを乗り継いで坑口駅へ。

そして、ギリギリでWM Hotelの送迎バスに間に合った私たち。

長かった一日の末に、ようやく今回の旅で楽しみにしていた場所へ到着した。

西貢(Sai Kung)。

香港と聞いて思い浮かべるのは、高層ビルやネオン、人であふれる街。

でも、ここにはその景色がない。

目の前に広がるのは、海と山。

港にはたくさんの船が浮かび、街を歩く人たちものんびりしている。

「同じ香港なのに、こんな場所があるんだ」

今回、西貢に2泊することにしたのは、この香港を見てみたかったからだ。

西貢って、どんなところ?

西貢は、香港の東側・新界にある海辺の街。

香港政府観光局では「香港の裏庭(back garden of Hong Kong)」とも紹介されていて、海やビーチ、島々、ハイキングなど、香港の自然を楽しめるエリアとして親しまれている。

海沿いにはシーフードレストランが並び、店先には大きな水槽。

港から船に乗って、周辺の島やビーチへ向かうこともできる。

少し街へ入れば、ローカルな飲食店やカフェ、スーパー、小さな商店が並んでいる。

そして西貢には、もうひとつ大きな特徴がある。

MTRの駅がない。

旅行前は私も、

「ちょっと行きにくいところなのかな?」

と思っていた。

でも実際に行ってみると、西貢には大きなバスターミナルがあり、MTRの駅と結ぶ路線バスも走っている。

つまり、

MTRがない=不便、ではなかった。

私たちは坑口駅からホテルの送迎バスで

今回、私たちが使ったのは、

MTR坑口駅 → WM Hotelの無料送迎バス

というルート。

坑口駅からホテルまでは送迎バスで約30分。

第5話で書いた通り、坑口駅に到着した時点で、私たちはすでに時間ギリギリ。

無事に送迎バスに乗れたときは、本当にホッとした(笑)。

西貢へは普通の路線バスのほかに、香港でよく見かける小型のミニバスという選択肢もある。

料金も安く、地元の人には便利そう。

でも今回は利用しなかった。

小さなワゴンタイプの車体を見て、

「これ、結構揺れそうだな……」

と思ったから(笑)。

それより私には、香港の大きな2階建てバスの方が魅力的に見えた。

広々しているし、2階から景色を眺めながら移動するのも楽しそう。

今回はホテル送迎を使ったけれど、次に西貢へ来るなら2階建てバスも使ってみたい。

香港の人にとって、西貢ってどんな場所?

西貢へ行く前、日本語の情報を探してみたものの、香港島や九龍ほどたくさんは見つけられなかった。

そこで私がかなり参考にしたのが、香港の人たちがYouTubeにアップしている西貢の動画だった。

見ていると、観光客向けの観光地というより、香港の人たちが休日を楽しみに出かける場所という印象が強かった。

ハイキングをしたり。

ビーチへ行ったり。

船で島へ渡ったり。

海辺を散歩したり。

そしてシーフードを食べたり。

実際に歩いてみて、なんとなく分かった気がした。

ここは「観光する香港」というより、

「休日を過ごす香港」なのかもしれない。

高層ビルに囲まれた香港も楽しい。

でも、海を眺めながらのんびり過ごす香港もある。

今回の旅では、そんな香港も体験してみたかった。

なぜ西貢でWM Hotelを選んだのか

西貢に2泊すると決めて、ホテルを探した。

そして選んだのが、

WM Hotel。

理由は、かなり単純。

海が近い。

そして、

プールがいい(笑)。

今回、西貢で過ごす2日目には、あえて観光の予定を入れていなかった。

朝起きて、西貢の街で朝ごはんを食べる。

ホテルへ戻ってプール。

お腹が空いたら、また街へ。

そんな一日にしたかった。

だからホテルそのものを楽しめることは、私たちには結構重要だった。

もうひとつ大きかったのが立地。

ホテルから西貢の中心部やシーフードストリートまでは徒歩圏内。

海沿いを散歩しながら街へ行く、もしくはバスプールまで徒歩で向かう。

どちらも10分かからないくらいで行ける

そしてMTR坑口駅からはホテルの送迎バスもある。

中心部から離れているけれど、着いてしまえば歩いて楽しめる。

これが、私たちの旅にはちょうどよかった。

実際に泊まってみたWM Hotel

ホテルに到着してチェックイン。

部屋に荷物を置いたら、まずはホテルの中をウロウロ(笑)。

動画は2日目の夜に撮影したもの

海のそばということもあって、香港中心部のホテルとはまったく違う雰囲気。

翌日楽しみにしているプールもチェック。

「明日はここでのんびりできるね」

そんなことを話しながらホテルを歩いていると、マカオから移動してきた疲れもちょっと軽くなった気がした。

実際に泊まってみて感じたのは、

「西貢でのんびり過ごしたい人には、とても使いやすいホテルだな」

ということ。

街へ歩いて行ける。

海も近い。

ホテルでもゆっくりできる。

私たちが西貢に求めていたものには、かなり合っていた。

さて。

ホテル探検も終わったところで——

西貢の街へ行ってみよう。

初めて歩く、西貢の街

ホテルを出て、海沿いを歩きながら中心部へ。

歩いてみると、街は思っていた以上にコンパクト。

海沿いには船が並び、その向こうには山。

繁華街へ入れば、飲食店やスーパー、昔ながらのお店もある。

香港島や九龍とは、まるで違う空気が流れている。

「ここ、いいね〜」

私たちはすっかり西貢の雰囲気が気に入っていた。

そして街を歩いていて、もうひとつ驚いた。

牛がいる。

しかも一頭ではない。

結構いる(笑)。

そして、思っていたより大きい。

ところで、なんで西貢に牛がいるの?

気になって帰国後に調べてみると、これには香港の歴史が関係していた。

昔の香港では、田畑を耕すために牛や水牛が使われていた。

その後、農業の衰退とともに役目を終え、野外で暮らすようになった牛やその子孫が、今も香港各地で暮らしている。

西貢も、そんな牛たちが見られる地域のひとつ。

つまり、あの牛たちは西貢の風景の一部だった。

海・山・船・シーフード。そして牛(笑)。

またひとつ、知らなかった香港を見つけた。

※牛を見かけても、近づきすぎたり餌をあげたりせず、そっと見守りましょう。

現金、もう少し持っていた方がいいかも

街を歩きながら、私にはひとつ気になっていることがあった。

香港ドル、もう少し持っていた方がいいかも。

我が家のメインカードは、JCBのソラチカゴールド。

ANAマイルを貯めている我が家では普段からよく使っていて、実際、今回の香港への航空券も貯めたANAマイルで取った。

だから香港でも、基本的にはカードで支払うつもりだった。

ところが実際に香港を旅してみると、

JCBが使えない店が思っていたよりちょこちょこある。

これから西貢に2泊。

しかも今夜は、ちょっといい海鮮を食べる予定。

「もう少し香港ドルを持っていた方が安心だよね」

そこで私はノアに、

「この辺りで両替できるところある?」

と聞いてみた。

ノアに聞いた両替所へ行ってみたら……

ノアが教えてくれたのは、西貢の街にある両替所。

Orient Exchange(東方找換店)西貢店。

場所も教えてもらった。

「あるじゃん!」

さっそく、その場所を目指して歩いていく。

ところが——。

ない。

……。

ないんですけど(笑)。

地図では確かにこの辺り。

周辺をウロウロしてみても、

やっぱりない。

結局、この日は両替所を見つけることができなかった。

仕方がない。

最後に選んだのは、

銀行ATMで香港ドルを引き出す。

無事に現金確保。

これでひと安心。

そして、この話には後日談がある。

間違っていたのは、Googleマップだった

帰国してから改めて調べてみると、

両替所はちゃんと存在していた。

間違っていたのは、当時Googleマップに登録されていた場所だった。

ノアも、その時点で確認できるGoogleの情報をもとに場所を教えてくれた。

だから、

ノアに聞く

↓

Googleの情報をもとに案内してもらう

↓

そもそものGoogleマップの位置が違う

↓

私たち、たどり着けない(笑)。

これはどうしようもない。

AIに聞けば、何でも正しい答えが返ってくるわけではない。

AIが参照する元の情報が間違っていれば、その答えだって間違うことがある。

今回の旅で、そんなことも実感した。

そこで帰国後、Googleマップから両替所の位置情報の変更を申請してみた。

その後、修正が反映され——

現在は正しい場所が表示されている。

私たちはたどり着けなかったけれど、

次に西貢でこの両替所を探す人は、ちゃんとたどり着ける……はず(笑)。

旅先では、GoogleマップにもAIにも本当に助けられる。

でも、ときには自分の目で確かめることも必要。

そんなことを西貢でひとつ学んだ。

そして、このときATMで香港ドルを下ろしておいたことが、このあと早速役に立つ。

なぜなら——

今夜は西貢の「ちょっといい海鮮」を食べる予定だから(笑)。

西貢最初の夜は、ちょっといい海鮮を

西貢といえば、やっぱり海鮮料理。

海沿いには、大きな水槽を並べたシーフードレストランがずらりと並んでいる。

でも、どこに入ろう?

実はこれも旅行前にかなり調べていた。

香港の人たちのYouTubeを見たり、Googleの口コミを比べたり。

そのとき私が自分なりに整理していたのが、こんな感じだった。

私の事前調査店名Google評価
高級全記海鮮菜館3.7(1,269件)
高級勝記海鮮酒家4.0(1,101件)
お手頃全記海鮮酒家-萬年街店3.7(2,140件)
お手頃洪記海鮮酒樓3.6(2,687件)

※旅行前に私が調べた時点のGoogle口コミ。評価・口コミ件数は変動します。

せっかく西貢に来た。

「初日の夜くらい、ちょっといいところで食べよう!」

そう決めて選んだのが、

勝記海鮮酒家。

左側が海に面したお店なので、本来なら海を眺めながら食事——

といきたいところだけれど、この日は雨。

しかも湿度が高い。

ということで、

迷わずクーラーの効いた店内へ(笑)。

西貢名物「生け簀から選ぶ海鮮」……怖くて行けない(笑)

席に着くと、店員さんから声をかけられた。

どうやら、

「外の水槽を見に行こう」

ということらしい。

もちろん知っている。

西貢のシーフードレストランでは、生け簀から魚やエビ、カニ、貝などを自分で選び、それを調理してもらう楽しみ方がある。

旅行前に香港の人たちのYouTubeで何度も見ていた。

だからこそ、私は行けなかった(笑)。

事前に見ていた情報では、生け簀から選ぶ場合、食材そのものの値段に加えて、調理料金がかかることもあるという。

選ぶものによっては、かなりのお値段になるらしい。

その情報が頭にしっかり残っている。

しかも今日は、

「ちょっといい店に来た」

という自覚もある(笑)。

しばらくすると、店員さんがまたやってきた。

「水槽、見に行かない?」

という感じ。

見てみたい。

せっかく西貢まで来たんだから、やってみたい。

でも頭の中では、

食材代 + 調理料金 = いったいいくら?

がグルグルしている。

結局——

行けなかった(笑)。

私たちは値段の分かるメニューから料理を注文することにした。

これなら安心。

……のはず(笑)。

料理はどれもおいしく、外の雨と湿気を忘れて、クーラーの効いた店内でゆっくり海鮮とビールを楽しんだ。

そして最後に、お会計。

約23,500円。

高い!

でも今回は、

「せっかく西貢に来たんだから、初日はちょっといい海鮮を食べよう」

と自分たちで決めて選んだお店。

これも旅の楽しみのひとつ。

とはいえ——。

もし、あのとき店員さんについて行って。

生け簀の前でテンションが上がって、

「この魚!」

「このエビも!」

なんてやっていたら……

いったいいくらになっていたんだろう。

怖っ(笑)。

そして改めて思った。

ATMで香港ドルを下ろしておいて、本当によかった。

食後は地元スーパーへ

海鮮を食べ終えたら、そのままホテルへ。

……ではない(笑)。

帰り道に地元のスーパーへ寄って、

ワインとつまみを調達。

私は旅先のスーパーを見るのが結構好きだ。

観光スポットを巡っているだけでは分からない、その街の日常がちょっと見える。

見たことのない商品を眺めたり。

「これ何だろう?」と夫と話したり。

地元の人たちが普通に買い物している横で、私たちも今夜のワインを選ぶ。

こういう時間も、私にとっては旅の楽しみのひとつだ。

買い物を済ませ、ワインとつまみを持ってホテルへ戻った。

西貢に2泊することにしてよかった

マカオから始まった長い一日。

フェリーが遅れて。

MTRを乗り継いで。

坑口駅では送迎バスに間に合うか焦って。

ようやく西貢へ着いたら、街には大きな牛がいて(笑)。

両替所へ行こうと思ったら、Googleマップの位置が違っていてたどり着けず。

最後はATMで香港ドルを確保。

そして、ちょっといい海鮮を食べて。

スーパーでワインとつまみを買って、ホテルへ戻る。

それでも一日の終わりには、

「西貢に2泊することにしてよかったな」

と思っていた。

海がある。

山がある。

街がある。

おいしいものがある。

そして牛もいる(笑)。

でも、香港中心部ほど慌ただしくない。

そして明日は、観光の予定をひとつも入れていない。

朝起きて。

街で朝ごはんを食べて。

プールに入って。

お腹が空いたら、また街へ。

何もしない香港を楽しむ一日。

せっかくの海外旅行なのに、何もしない。

そんな一日があってもいい。

むしろ50代になった今は、そんな旅がちょうどいいのかもしれない。

第7話へ続く。

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