マカオから高速船に乗り、香港・上環へ戻ってきた。
予定では、上環のフェリーターミナルに到着するのは14:30。
そこからMTRに乗り換えて坑口駅へ向かい、15:45発のWM Hotelの無料シャトルバスに乗る。
坑口駅には15:30くらいには着けるだろう。
そんな予定を立てていた。
ところが――
高速船の到着が15分遅れた。
たった15分。
でも、このあとの予定を考えると、この15分がかなり大きい。
ホテルのシャトルバスは15:45発。
これを逃すと、次は17:15。
90分待ち。
興味のない坑口駅で90分過ごすのはごめんだ。
早くホテルに行きたい。
何より、背中のリュックがもう重い。
上環14:55発。残された時間は50分
上環駅から坑口駅までは、北角駅で乗り換えて約30分。
私たちが上環フェリーターミナルを出発したのは、
14:55。
シャトルバスの発車は、
15:45。
残された時間は50分。
MTRが順調なら間に合う。
でも問題はその前後だった。
フェリーターミナルからMTR上環駅をちゃんと見つけられるのか。
北角駅でスムーズに乗り換えられるのか。
そして最大の問題。
坑口駅に着いてから、ホテルのバス乗り場をすぐ見つけられるのか。
この旅で一番ハラハラした時間が始まった。
頼れる情報は「B1出口」とホテルの案内だけ
MTRに揺られながら、もうひとつ確認しておきたいことがあった。
坑口駅の出口だ。
時間に余裕があるなら、到着してからGoogleマップを見ながら探せばいい。
でも今日はそんな悠長なことは言っていられない。
駅に着いた瞬間から、迷わずバス乗り場へ向かいたい。
そこで、Googleマップでバス停までのルートを出して、そのリンクをノアに送った。
「このルートでバス停まで歩くんだけど、MTRの出口は何番口が近い?」
これでわかるだろうと思ったら――
「Google Mapsの短縮リンクは、こちらからだと行き先を開けないんだ」
え。
今、それ困る(笑)。
ノアから「Googleマップのスクリーンショットを送って」と言われ、今度は地図の画面を送ってみる。
すると、
「一番近いのはB1出口だよ!」
よし!
これで坑口駅に着いたら、迷わずB1出口へ向かえばいい。
Googleマップによると、B1出口からバス乗り場までは、
190m、徒歩3分。
あとは時間だけ。
……その時間が、一番の問題なんだけど。
B1出口を出たその先は、ホテルのホームページに載っている案内が頼り。

坑口駅到着、15:36
坑口駅に着いた。
時計を見る。
15:36。
シャトルバス発車まで、
あと9分。
「無理だな」
そう言いながら、私は早歩き。
すると夫が私の前へ出て、後ろを振り返りながら走り始めた。
私もついていく。
MTRを降りて改札へ向かう途中には階段。
二人でダッシュで駆け上がる。
改札を抜ける。
B1出口へ。
Googleマップを見ると、ここからバス乗り場までは、
190m、徒歩3分。

お願い!
間に合って!!
見えた!!
B1出口から急いで進んでいくと――
あった!
WM Hotelのロゴが入った茶色のバス。
しかも、今にも発車しそう。
「待ってーーー!」
……と叫んだかどうかは覚えていないけれど(笑)、サイドミラーに自分たちの姿が映るように、必死でバスへ駆け寄った。
そして――
間に合った!!!
ゼイゼイしながら乗車。
夫はそれほどでもない。
ゼイゼイしているのは、ほぼ私だけである。
車内にはすでに2組4人の乗客がいて、私たちは一番後ろの席へ。
座った瞬間、
「あ~~~、間に合った~~~!」
どうせ日本語だからわからないだろうと、わりと大きめの声で安堵した。
二人とも顔を見合わせて笑った。
さっきまであんなに無言だったのに(笑)。
念願のWM Hotelへ
ここからホテルまでは約20分。
さっきまでの緊張が嘘のように、今度はワクワクが止まらない。
着いたら何しよう。
ホテル見て回ろうか。
明日のプールも見ておきたい。
そんなことを話しているうちに、バスはあっという間にホテルへ到着した。
ホテル入口の自動ドアが開いた瞬間――
ふわっと、とてもいい香りに包まれた。
あ~~、香りからして素敵。
そして、
涼しい~~~!
この瞬間だけで、
「ここにしてよかった~」
と思った。
海は見えなくてもいい。私の目的はプールだから
チェックインを済ませ、ルームキーを受け取って客室へ。
香港はホテル代が結構高い。
だから西貢での2泊は、眺望なしのスタンダード客室を選んだ。
窓から海は見えない。
でも、全然いいんです。
なぜなら――
私の目的は、このホテルのプールだから!
今日はもう入らない。
でも、下見だけはしておきたい。
さっきまで駅を全力で走っていた疲れも忘れ、早速ホテル散策へ出かけた。
そしてプールへ。


天気はあいにくだったけれど、目の前には西貢の海と島々。
水面の向こうに景色が続いていくようなプール。
最高じゃん。
明日はここでのんびりできる。
そう思っただけで、たまらない高揚感が湧いてきた。
さあ。
ホテルも見た。
プールも見た。
次はいよいよ、楽しみにしていた西貢のシーフード!
……その前に。
現金が必要だ。
西貢へ行けば、両替所くらいあるだろう。
そう思ってGoogleで探してみる。
ところが――
両替所が、見つからない。
え?
観光地だよね、西貢って?
さて、どうする。
第6話へ続く。



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